心に響く言葉

書家、西村桂洲 

・・・そうだ、吾々字を書く者も

拙くとも生きた字が書きたい。
胸中にわだかまる、もろもろの鬱懐(うっかい)を赤裸々に、
一本の筆に託して白紙にぶちまけ、
叩きつけていきたい。
生命ぎりぎり生きた字を、
生き生きした線をそこに見出して行きたい。 

 

川端康成
書は老いとともによくなりこそすれ悪くはならない。
そこが東洋の芸術としてのありがたさである。
 
岡本太郎
真白な紙の上に、黒々と線を走らせる。
そこになまなましく人間の生命感が躍動する。
原始のエネルギーは混沌の発する力だ。
「書」には、絵を描くのとはまた違った喜びがある。
だから私はよく筆を持つ。絵だか字だかわからないような字が、踊り出る。

字は誰でも書く。
書けるものだ。
書になっていようが、いなかろうが、かまわない。
平気で、無条件に己をぶつけ、線を引いてみたらいい。
筆と墨、あるいは無限の彩りで。
紙の上に自分の全存在がひらき、夢が息づく。
遊ぶ字だ。
そこに、生きるよろこびがふくれあがってくる。
まさに芸術。