私の書号

 

 

【 欧水 】   おうすい

由来は何も私が欧州に住んでいるからではなく、オランダ移住前からの書号だ。

辞書によると「欧」は「嘔吐」の「嘔」と同じで元々は「吐く」という意味。


うむ、、、汚い、、


そう、汚い意味をも含む事を百も承知で選んだのだ。

なぜか、、それは自分の中にあるものを全て【書】に吐き出したかったからだ。

 

正確に言うと【書】という大層なものでなくとも、

 

書くと言う行為で吐き出したいのだ。

 

良いことも、悪いことも、喜怒哀楽、愛別離苦、様々な突き上げる憶いをだ。


そう為し得ると自分の書いたものは自分の為に生かされる、

究極は自分からの完全な一方通行、独りよがりの書。


口から吐くのではなく、

墨を磨りながら湧き上がる思いをもそこに磨り込み筆を持つ。

ある時は怨念のような、ある時は天使のような、、(←めったにない、、)

またある時は見、触れた感情を、そして祈りを。

 

硯の中に磨り込み生まれる墨水。

自身の全知全能、溢れて止まぬ感情を墨水に沁み込ませた筆でもって

 

【書】に欧きだす。

その欧き出した【書】に弁解なし。

 

 

【 欧水 (おうすい) 】


欧く(はく)女、欧水、

 

生涯を共にする私が選んだ書号だ。